2025.7.13「アッバと呼べる関係性」宣教 水野英尚 ローマの信徒への手紙8章12~17節

 「アッバ」という言葉はアラム語だと言われます。幼い子どもが父親を呼ぶときに発する言葉だそうです。ですから、「父ちゃん」とか「パパ」と、理解されてきたように思います。しかし、「親しみ」というよりも「信頼」ということが強いように思います。日本基督教団の牧師の加藤常昭さんは、「アッバ」という言葉をこんな風に説明しています。
 「アッバというのは確かにアラム語だ、けれども本当を言うとアラム語でもない、と言うべきだ。それはなぜか。これはもともと何語でもない、生まれた赤ちゃんが少し物心ついてくるというか、何か相手を意識するようになると、やがてパパとも、ママともアッバとも聞こえる音を発するようになる、それはアラム語でも日本語でも、ドイツ語でもない。アラム語で、それを〈アッバ〉と表記しただけなのです。」(加藤常昭説教集「ローマ人への手紙2」)と語られます。
 つまり、「アッバ」とは深い親しみを込めて「父」と表現しているというよりも、まだ、言葉を話せない幼子が、信頼と安心を込めて「アッバ」と声を発する。深い愛情に応える信頼があって、初めて発せられる言葉だということです。